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クレカ積立するなら、還元率は何%あればお得?

クレカ積立するなら、還元率は何%あればお得?

はじめに 前回記事「Oliveフレキシブルペイを利用すると投信積立が断然有利!」では、クレジット還元率が5%あれば、毎月積立が断然有利だと結論づけました。しかし、2023/5現在において、5%の還元が受けられるのは、SBI証券においてOlive フレキシブルペイ プラチナプリファードカードで積立をする、という非常に限定された場合のみです。SBI証券と三井住友銀行に口座を持つことにハードルがないにしても、プラチナカードを契約できて、かつ、上記注意点の通り、年会費のハードルがあります。 そこで、この記事では、それ以外のクレカ積立なら、何%の還元率なら、毎月積立が毎日積立に勝るのか(つまり、還元率の損益分岐点)、ということにフォーカスしたいと思います。 問題提起 クレジット還元率が何%あれば、毎月クレカ積立が毎日積立より利益が出る? まずは結論から 毎日積立より毎月クレカ積立が有利になるような、クレジット還元率の損益分岐点は、約1%である。 具体的な検証 検証:還元率=0% まずは、以前の記事「投信の積立頻度「毎日」「毎月」どちらがより利益になる?」での復習も兼ねて、還元率を0%にリセットしてみましょう。つまり、毎月クレジット積立による還元がなく、単純に、毎日積立と毎月積立の比較です。 検証対象: 8投信銘柄。株式1,000銘柄以上、国は米国・日本・先進国・世界をカバーする。 検証パターン:それぞれの検証対象に対して、投資開始時期を1日ずつずらすことで、計17,584パターンを作る。 検証の結果、下の表のように、毎月積立より毎日積立の方がより利益につながりやすく、64.17%のパターンにおいて、毎日積立の平均利益率のシャープレシオが、毎月積立のそれを上回りました。時期などの条件によっては毎月積立の方が有利になる場合もあるけれど、確率的に、毎日積立の方が有利だとわかりました。 平均利益率の平均値: AverageTarget 1Target 2Target 3Target 4Target 5Target 6Target 7Target 8Total#Total%Daily2,1362,4801,4326503928241,1858039,90256.31%Monthly1,6161,6081,31241402401,5599337,68243.69%Average...
Oliveフレキシブルペイを利用すると投信積立が断然有利!

Oliveフレキシブルペイを利用すると投信積立が断然有利!

はじめに 「投信の積立頻度「毎日」「毎月」どちらがより利益になる?」では「一般的なケースにおいて、投信は毎月積立より毎日積立の方が有利」と結論づけたが、三井住友が提供する Olive フレキシブルペイを利用すると状況が変わってきます。 実は、そもそも、毎日積立と毎月積立の実力差を調査しようとしたのは、Olive フレキシブルペイを利用すべきかどうかスマートな判断がしたかったからです。というのも、毎日積立と毎月積立の単純比較は、ドルコスト平均法の特性により、毎日積立が有利か、そうでなくとも両者に大差はないことが直感的に予想されたので、その時点では特に毎日積立 vs. 毎月積立を問題視せずに、毎日積立を選択していました。ところが、2023年3月に、Olive フレキシブルペイが発表されたことで、状況が変わりました。例えば、SBI証券において、Olive フレキシブルペイのプラチナプリファードカードを利用して投信積立をすると、積立金額に対して5%が還元されます。一般的にインデックス投資は平均年間 5% ~ 7%程度の利益率なので、その利益率に近い 5%還元というのは、なかなかセンセーショナルです。ただし、Olive フレキシブルペイで積み立てるには、毎月積立の選択肢しかなく、毎日積立ができないのです。そこで必要になってくるのが、「還元なしの毎日積立 vs. 還元ありの毎月積立」の比較です。 問題提起 クレジット還元はないけど、毎日積み立てた方がより利益が出る?(ex. 積立:1,000円/日) それとも、 クレジット還元がある、毎月積み立てた方がより利益が出る?(ex. 積立:30,000円/月 & 還元:5%)...
投資信託の積立頻度「毎日」「毎月」どちらがより利益になる?

投資信託の積立頻度「毎日」「毎月」どちらがより利益になる?

問題提起 投資信託を積み立てる際、積立頻度を選択する場面があります。例えば、SBI証券では、毎日/毎週/毎月/複数日/隔月の5択があります。 そもそも、投資信託を積立するメリットは、同じ金額を定期的に積み立てる、つまり、投資のタイミングを分散することで、ドルコスト平均法 (Dollar Cost Averaging, DCA) による価格変動リスクの軽減と利益増加が期待できることです。つまり、一定金額を一定間隔/頻度で購入することで、投信の基準価額が高い時は少ない口数を、逆に低い時は多い口数を買えることになり、全体として購入価格の平均化ができ、投信を安く買えることになります。ここまでは、教科書通りです。 さて、ここで素朴な疑問が湧きます。 毎日積み立てた方がより利益が出る?(ex. 1,000円/日) それとも、 毎月積み立てた方がより利益が出る?(ex. 30,000円/月) 積立設定する際に、選択に迷うことも多いのでは。直感から行くと、より細かく時間分散した方が、より購入価格の平均化ができ、利益につながる気がします。つまり、毎月<毎週<毎日の順に利益が大きくなると思われますが、はたして?(実際、筆者は数的検証する前は、とりあえず直感で "毎日" を選択していました。) まずは結論から 毎月積立より、毎日積立の方がより利益につながりやすい。 17,584パターンで比較した結果、64.17%のパターンにおいて、毎日積立の平均利益率のシャープレシオが、毎月積立のそれを上回った。 ちなみに、毎日積立に対応している証券会社は、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、大和証券あたり。 ただし、毎月積立ならクレジット積立が可能となり、クレジット還元を加味すると、毎月積立の方がより利益になる。 詳細は、次の記事「Oliveフレキシブルペイを利用すると投信積立が断然有利!」にて。 具体的な検証 では、実例を用いて、具体的にかつ徹底的に検証してみましょう。下記は、一般向けというより若干発展的な内容です(本サイトのコンセプトはこちら)。...