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[資産形成入門編] Part 1: 資産形成の大原則とその手段

[資産形成入門編] Part 1: 資産形成の大原則とその手段

いきなりですが、資産形成の大原則を一つだけ挙げるとしたら何にしますか?

株を安く買って高く売ること?リスクを分散して投資すること?

これらはもちろん大事な手法ですが、いついかなる時も成り立つような大原則ではありません。算術でいう四則演算、物理学でいう万有引力の法則、それらと同等レベルな誰もが信じて疑わないような大原則は何でしょうか。

思うに、資産形成にそのような大原則があるとすれば、古今東西一つしかなく、今までもこれからもどこに行ってもこれしかありません。

それは、

資産 = 収入 ー 支出

です。

そう、単純な引き算です。

資産形成と言われると、投資をしたりなどと難しく思われがちですが、実は、資産を増やそうとすることは「収入を増やし、支出を減らす」それに尽きます。とても簡単な話です。

家計も個人資産も企業ファイナンスも、強いては国の経済まで、どのレベルでも基本的には同じです。全ての経済活動がこれに当てはまると言っても過言ではありません。

昔勤めていた会社の上席の言葉が印象です「自慢ではありませんが、私は主婦の妻もびっくりするほど家計のやりくりをうまくやっています。よって、企業会計もうまくこなせている自信があります。」

そして、経済ニュースには難しい言葉が並びますが、これまた考え方は同じです。例えば「税制改革、新産業への投資、輸出促進、観光業復興に取り組むと同時に、公共事業を効率化させプロジェクトの優先順位を設ける」という方針が出た場合には、要するに「追加税金・投資利益・輸出・観光業で収入を増やし、公共事業のコスト削減と見直しで支出を減らす」それだけの話です。

では、どのようにすれば効率よく収入を増やし支出を減らせるのでしょうか?

生活水用の大きな貯水池にどれだけ多くの水を貯められるかを想像してみてください。水に増やすためには、ホースで水を足したり、増やすペースを早めるには、ホースを太くしたりホースの数を足したり、時には、恵みの雨が降ってくれることを期待します。水が減らないためには、洗濯の回数を減らすなど使う量を減らしたり、予定外の流出がないように貯水池の底に穴があれば塞いだりします。

資産形成も、手段こそ違うものの、理屈としては同じです。ものすごく単純な話です。そのすごく単純な話を、世の中は「ポートフォリオの多様化でリスクを分散して資産形成を最適化しましょう」などのキャッチフレーズで溢れているので、資産を増やしたくても尻込みしてしまうのです。

そこで、この入門編では、資産を増やしたい全ての方々にスムーズに理解していただくために、「資産 = 収入 ー 支出」を軸に、まずは収入を増やし支出を減らす手段のブレークダウンとそれぞれの特徴を分かりやすく説明し、資産形成の全体像を俯瞰的に見ていただきます。木を見て森を見ずとはならないように、まずは資産形成という壮大で豊かな森を見ていただきます。

代表的な収入(Income)を得る手段として、主にこういうのがあります。

会社勤め

 ・給料、ボーナス

 ・自社株

・ビジネスの立ち上げ

 ・開業、起業

 ・サイドビジネス

 ・フリーランス

 ・著作権、特許権

投資

 ・株式投資

 ・債券投資

 ・不動産投資

 ・コモディティ投資(金銀石油や芸術品、アンティーク、ワインなど)

 ・為替取引

 ・投資信託

 ・仮想通貨

 ・ベンチャーキャピタル投資

 ・銀行預金、定期預金

支出(Spending)としては、こういうのが代表的です。

消費

 ・家賃、食費などの生活費

 ・育児費

 ・医療、介護費

 ・家や車などの購入費

 ・レジャーなどの娯楽費

保険

 ・生命保険

 ・健康保険、医療保険

 ・自動車保険

 ・住宅保険

 ・賠償責任保険

 ・旅行保険

税金

 ・所得税

 ・消費税

 ・資産税

 ・相続税

 ・車両税

 ・法人税

次回以降は、それぞれの手段の概要とさらに細かい業界を紹介していきます。入門編第二弾は「収入源1:会社勤め」について紹介させていただきます。

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[資産形成入門編] Part 2: 収入源1:会社勤め

Wed Nov 8 , 2023
資産形成入門編の第一回目は「資産形成の大原則とその手段」についてお話ししました。 資産形成入門編の第二回目以降は、収入を増やし支出を減らすそれぞれの手段の概要を紹介していきます。 なお、俯瞰的に広い視野でなるべく多くの機会を紹介したいため、中には専門知識や経験を要するものなど万人向けでないものも多々出てきますが、世の中こういうのもあるんだなあという程度に思っていただければと思います。 さて、最初に、現代社会において最も普及している収入源である会社勤めによる収入についてお話しします。ただし、この手段は普及のあまり皆さんがすでに知っていることが多いため、本記事では、一般常識と思われることはなるべく割愛し、逆に普段馴染みが薄いトピックを取り上げ、知識の差分を埋めたいと思います。 会社勤めによる、給料やボーナスなどの対価 まずは、おさらいですが、会社勤めして得る給料は、言うまでもなく、労働者(社員)が労働力や時間、サービスを提供する対価として雇用主(会社)から受け取る金銭のことです。少し古い言い方をするとサラリーですね。正社員、契約社員、アルバイトなどいくつかの契約形態に違いがあるものの、基本的には、労働時間や会社への貢献度に基づいて、月収・年収或いはボーナスなどの対価を受け取ります。詳細説明は世の中でありあふれているので、ここでは割愛します。 なお、国によって会社勤めの形態が異なるので、一概に比較は困難ですが、参考までに大枠の状況を載せておきます。 雇用者数 / 就業者数 労働人口 対労働人口率 (%) 日本 5,618万 *1 5,700万 98.6% アメリカ 1億4,300万 *2 1億6,300万 87.7% 中国 約 8億 *3 約 10億 80.0% *1 正規雇用者と非正規雇用者の合計。 *2 アメリカは就業者のうち本業あるいは副業フリーランスが4割以上と多数含まれる。その内訳は次回。 *3 発表方法により大きく数字が異なってくるので、かなりの概算。 会社勤めによる、自社株(RSU)という対価 同じ会社勤めによる対価ですが、給料とは別に、少し馴染みが薄い給与対価として、その企業の自社株(RSU)を支給してもらうというのもあります。この方法は、欧米系企業などで多く見られ、そのような企業への就職を考えている方には是非とも知っていただきたいのですが、万人向けな手段ではありません。ただ、他ではめったに紹介されることがなく、もし活用できれば効果絶大なので、ここで敢えて取り上げてみます。 多くの欧米企業では(もちろん欧米資本の日本法人でも)、入社時や毎年の業績や昇級に合わせて自社株を社員に支給します。自社株のメリットは何と言っても将来のその会社の株価の値上がりにあります。支給時では年収の数割にも満たない株の価値でも、数年後株価が上がれば、結果的に収入が倍増することになります。 例えば、2010年にAmazonに転職入社し、入社の条件として、年収1,000万円と、年収の1割に相当するAmazon株(当時100万円相当)を支給されたとします。2010年時点でのAmazon株は、1株 約7ドル、為替は1ドル=約90円でしたので、約1,587(= 100万円 ÷ 7 ÷ 90)のAmazon株を支給されます。仮に、その1,587株を売らずに、2020年まで保持した場合、2020年ではAmazon 1株 約150ドル、為替は1ドル=約105円でしたので、その時点での価値は 約2,500万円 になります。最初の100万円相当株の支給から、10年で何と25倍に膨れ上がったのです。仮に為替差益を考慮しなくても、約 21倍の増加です(= 150 ÷ 7)。 GAFAM(Google, […]
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